手作りのそばを「手打ちそば」といい、そば本来の風味のよさやのど越しのよさを楽しめる。ベトナムではなかなかお目にかかれない貴重な手打ちそばが、HCM 1区の「KASAI」にある。作っているのは、そば好きが高じてそば打ちを修行した日本人オーナーの笠井氏だ。
1. こねる―水まわし
そば粉とつなぎ粉を鉢(こね鉢)に入れ、水を少しずつ加えながらダマにならないよう混ぜる。いかに均一に粉に水を吸わせるかが重要。ここでそばのおいしさの9割が決まる。
だんだんとまとまってくるので、内部の空気を抜くために体重をかけてこねる。陶芸の土を練るときと同じ技術を使うのだという。
2.伸ばす―のし
板(のし板)に生地をのせ、生地がくっつかないよう、打ち粉と呼ばれる粉をまぶし、棒(のし棒)で伸ばしていく。薄くなるにつれて面積が大きくなり、のし板からはみ出てしまう部分は、別に用意した棒に巻きつけておく。
均一に、厚さにムラのないよう伸ばす。さっきまで丸いかたまりだった生地が、薄さわずか1.5mmほどに。
3. たたむ、切る―たたみ、切り
生地をたたみ、そば専用の包丁で細く切っていく。切るときに生地がくっつきやすいので、打ち粉はたっぷりと。
打ちたてのそばは、なんとも言えない美しさ。KASAIのそばは少し細めで、繊細な口あたり。
SENDA MAYU/ kilala.vn