五箇山・白川郷の合掌造り
Bài: MayuSenda / Hợp tác: ASEAN-Japan Centre
Jan 15, 2018
Ảnh: PIXTA / Biên dịch: Lăng Vi
初夏の五箇山・相倉集落。のどかな風景が広がる (Photo: nonnonpon / PIXTA)
日本の昔ながらの農村風景が残る、貴重な場所がある。富山県の五箇山と、岐阜県の白川郷。この2つの地域に、合掌造りと呼ばれる建築様式の家が現存している。合掌造りの「合掌」とは、日本語で手と手を合わせて拝むという意味がある。屋根の形がそのように見えることから、「合掌造り」と名付けられた。屋根は乾燥させた草を敷き詰めた「茅葺き」と呼ばれる方式によるもの。このような建築は、日本でもこの地域でしか見られない。1995年、五箇山の菅沼集落、相倉集落、白川郷の荻町集落の3つの集落が、世界文化遺産に登録された。
合掌造りには、人びとの生きる知恵が詰まっている。この集落がある場所は、日本でも有数の豪雪地帯。屋根が急な角度になっているのは、雪が転がり落ちるようにだ。大雪になると最終的には積もってしまうが、雪の重みによる家の倒壊を、少しでも防いでくれる。さらに、屋根が日光が当たりやすい向きに設計されており、積もった雪が溶けやすいようになっている。また、家屋のちょうど三角形の部分は広いスペースが確保でき、かつて養蚕の場所として利用されていた。窓から光と風がたっぷりと入るこの部屋は蚕の飼育に適しており、養蚕と、蚕の糞を用いた煙硝(gunpowder)の製造は当時、地域を支える産業となった。
雪の白川郷。茅葺き屋根は、保温効果も高い (Photo: lastpresent/ PIXTA)
19世紀後半には1800棟以上あった合掌造りも、養蚕業の衰退、人口の流出などで20世紀半ばに減少し、今では150棟をきっている。合掌造りの家屋を維持することは、技術的にも、費用的にも簡単なことではない。茅葺きの屋根は、30 – 40年に一度、草を入れ替える「葺替え(Fukikae)」という作業が必要になる。かつては地域の人が総出で協力し合う「結(Yui)」という仕組みによって、集落内の住民が一軒につき一日がかりで行ってきたのだが、現在は人手不足により、業者やボランティアの力も借りながらとなっている。しかしながら、今でも残る「結」のような仕組みは、現代の人に「人と人との絆の大切さ」を教えてくれる。
築300年になる、白川郷最古の建築・和田家。1階と2階部分は見学することができる (Photo: mt223 / PIXTA)
世界遺産に登録されてから今年で20年。多くの観光客が訪れようとも、この集落の暮らしが変わらずに続いてゆくことこそが、世界にとって、日本にとって、貴重な文化遺産となるのだろう。
SENDA MAYU/ kilala.vn