本格的な冬が訪れる1月から2月。日本の中でもとくに、北海道や東北は厳しい寒さに見舞われる。来る日も来る日も雪が降り、人の背丈を超すほどの積雪となるところもある。そんな地域に住む人々は、雪とともに生きるたくさんの方法を編み出してきた。そのひとつが雪の祭りや行事である。
日本で最も有名な雪まつりといえば、北海道の毎年2月に行われる「さっぽろ雪まつり」だ。1950年から始まり、2015年で66回目を迎えるこの祭りは、札幌の大通り公園を始めとする会場に、雪で作られた精巧な造形物がずらりと並ぶ。造られるのは、世界的な建築物や、話題になった人やモノなど、その年によってさまざま。ひときわ目をひく巨大なものは、自衛隊やクレーン車の協力によって制作されている。さっぽろ雪まつり全体で使う雪の量は、5tトラック6500台分にも及ぶという。夜にはライトアップされ、真っ白な雪と鮮やかな光による幻想的なイルミネーションに目は釘付け。今では毎年、国内外から200万人を超える観光客が訪れている。
秋田県・横手市には、およそ420年も続く「横手かまくら」という行事がある。かまくらとは、雪で造った小さな家のこと。毎年2月15、16日、市内には約100個のかまくらが造られ、中では子どもたちが甘酒を飲んだり七輪で餅を焼いたりしながら、「入ってたんせ(どうぞ入ってください)」と言って観光客を出迎えてくれる。中には神棚が作られており、家内安全や五穀豊穣を願う気持ちも込められている。
雪まつりは冬の間、日本の北部を中心とする各地で行われている。こうした行事によって生まれた人と人との温かいつながりが、厳しい冬の寒さをやわらげてくれるのだ。
秋田県男鹿半島に伝わる「なまはげ柴灯まつり」。神の使いNamahageが、雪山を舞台に太鼓や踊りを繰り広げる (Photo: ©Akita Prefecture)
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