9月29日、世界銀行は日本政府が日本社会開発基金を通じて資金提供した275万USD(約3億1,000万円)で、ベトナムの高齢者の経済的・健康的な影響を軽減することを目的としたプロジェクトを開始した。
このプロジェクトは、ヘルプエイジ・インターナショナル(Help-Age International)がベトナム高齢者協会と共同で実施する。地域密着型ケアとして経済的生産性が高く、健康で活動的な高齢化の促進を支援する。6つの省の27,000人が対象となり、そのうち70%が高齢者と推定される。
世界銀行のベトナム担当カントリーディレクター、キャロリン・ターク(Carolyn Turk)氏によると、世界で最も急速に高齢化が進んでいる国のひとつであるベトナムでは、2050年までに65歳以上の年齢層が2.5倍に増加すると予想される。
「この国では、医療や社会福祉のシステムを高齢者の増加に対応させるために、これまでとは異なるアプローチが必要です。私たちは、ベトナムが長期的な高齢者ケアを提供するために、革新的で費用対効果の高い、手頃な価格の介入策を導入することで支援でき嬉しく思います」とターク氏は述べている。
さらに高齢者の多様なニーズを満たすために、世代間交流によるセルフヘルプクラブ(ISHC/ the Intergenerational Self-Help Club)ネットワークを拡大することも活動の一環としている。
このモデルは、2006年にベトナムで初めて実施され、その有効性が政府に認められ、国の政策にも盛り込まれた。
50人から70人の会員を抱える自主運営のクラブは、会員の収入向上、心身の健康増進、自分の権利を知るための様々な世代間交流活動を行っている。
また、ボランティアのネットワークを通じて、ほとんど家に閉じこもっている人たちに、社会的ケア、個人的ケア、関連ケアなどの在宅ケアサービスを提供している。
現在、ベトナムでは63省のうち61省をカバーする3,500のISHCが設立されているが、質や内容にはばらつきがあり、2024年9月まで実施されるこのプロジェクトで、政府のサービス提供と良い連携を促進し質の向上を目指す。
在ベトナム日本大使館の清水隆也一等書記官は、「このモデルは、その名の通り、世代を結びつけ、年齢差のギャップを解消するものです。さらに重要なことは、"自助 "という特性を生かして、社会的な結びつき、収入の確保、あるいは医療や介護の面で、地域社会が自助することを支援していることです」と話す。
このプロジェクトを実施しているベトナムのヘルプエイジ・インターナショナルは、高齢者問題、高齢化への適応、コミュニティ開発に関するアドボカシー、トレーニング、キャンペーン、介入において10年の経験を持つ国際的なNGO団体である。
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