カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の医学部で働き、がんに関する遺伝子の研究に没頭し成果もあげていた。
しかしちょうどその頃、カリフォルニアではスタートアップが盛んになっており、その状況に影響を受けた彼女は今までの研究と経験を活かし母国でビジネスを始めようと思い立った。
コーネル大学のコンピューターサイエンス博士である夫カオ・アイン・トゥアン氏(Cao Anh Tuan)からの支持もあり、2018年には母国でベトナム人のゲノムを読み解くための遺伝子工学会社ジェネティカ(Genetica)を2人で設立した。
当初、がんの研究に焦点を当てていたが、次第に子供の遺伝子分析で分かる将来的な病気の予防や、生活習慣病に関わる改善、栄養に関するアドバイスを提供するようになっていった。
「ほんの数滴の唾液で、ゲノム情報を読み取り、ビタミン欠乏症のリスク、糖尿病または心血管疾患のリスクなどの有用な情報を提供できます。このサービスによって、すべての人生に影響を与えるどんな小さなことでも改善できることに貢献でき嬉しく思っている」と彼女は心境を語ってくれた。
現状に甘んじることなく今後も科学、特に遺伝学への探求心を失うことはなく、まだまだ学ぶことがたくさんあると尽きることのない意欲を彼女はみせている。
現在、彼女は東南アジア最大規模のゲノムシーケンスセンターの科学ディレクター兼共同創設者としても活躍している。
このセンターはベトナムおよび地域における遺伝子配列の決定、研究、遺伝情報の応用などのニーズの高まりに対応し、ジェネティカとベトナム国家イノベーションセンター(NIC)が立ち上げた。
米国本社にあるジェネティカの研究所と同じ基準を満たし、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)のプライバシールールに準拠し、最も正確な検査結果、診断、情報セキュリティを保証されている。
顧客はここでの解析結果を生涯にわたって利用することができ、海外の医療機関や病院での診察・治療目的に利用することが可能だ。
同センターは世界やベトナムの多くの主要な病院と協力して、遺伝子疾患に関する新しい発見、研究、開発に貢献していくことを目指している。
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