白内障に苦しむベトナムの貧しい人々に寄り添い、支援する医師として知られる服部匡志氏は、クアンニン省(Quang Ninh)モンカイ地方(Mong Cai)での無償手術のためのクラウドファンディングを行っている。
この地方はベトナムの最北端に位置する貧しい国境地域で、ここで唯一である眼科治療センターの医師7人と服部医師は協力して無償の白内障手術を行ってきた。
同センターには、超音波によって濁った水晶体を細かく破砕(乳化)して吸引し眼内レンズを入れる超音波乳化吸引手術(白内障手術)をできる医師が5人いる。
現在は2年に1回しか訪問できないことに加えて、新型コロナの影響と旅行制限により、遠隔地での手術の実施がさらに困難になっている。
また、白内障手術は通常、旅費、宿泊費、その他の費用を含め約800万ドン(約4万1000円)の費用がかかり、農民にとっては大きな負担となり積極的な治療を妨げる要因となっている。
15年間で2万人以上の患者に治療
服部医師が最初にベトナムを訪れたのは2002年で、網膜硝子体手術の指導者として招待された。
滞在中に貧しい患者に無料の手術を行うボランティアに参加したことが今の活動につながっている。
農村部では健康を管理する保健師や医師などの人材が不足し、特に白内障を治療する医師はほとんどいない。
また、都市部で治療を受けるためには高額の費用が必要となるため生活が苦しい人々には難しいことだった。治療を行わなければ視力を失い家族にさらなる負担がかかるという悪循環に陥る。
このような現状に服部医師は、眼科治療に特化したAPBA(アジア太平洋失明予防協会-アジア太平洋失明予防協会)を設立し、医師の教育・指導を支援するため、京都県立医科大学と連携し、医療技術支援を行い、医師の医療技術水準の向上に貢献している。
2016年、APBAは初めてベトナムでの無償手術のための資金350万円を目標にクラウドファンディングを行い、多くの人々から支援を受け400万円近く集めることができ、40日間で595人の手術を行った。
ベトナムで15年以上の活動を続けているこの組織は、毎年1,000人以上の患者に対して白内障手術を行っており、これまでに合計20,000人以上の患者が手術を受けている。
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