ベトナムは世界で最も高齢化が進んでいる10カ国のうちの1つである。
平均寿命が74歳近くあるにもかかわらず、健康でいられるのは65歳以下のときだけという調査結果もあり、残りの人生をより幸せに過ごせるように、社会全体が効果的に支援することを促す政策が必要となっている。
2039年まで続くと予想される人口黄金期(生産年齢人口が、それ以外の人口より多い状態)の構造は、国にとって若い労働力を最大限に活用して経済成長をステップアップさせる絶好の機会であるが、同時にある時期には一気に高齢化が進むことを意味する。
2039年には65歳以上のベトナム人の人口が総人口の15%以上になり、人口黄金期は終焉を迎えると予測される。
2026年から2054年まには65歳以上の高齢者の比率が総人口の10.2%から19.9%推移し高齢化社会となる。
2055年から2069年は、65歳以上の高齢者が総人口の20%〜29.9%を占め超高齢化社会となる。
高齢化社会への対応を迫られる
現在のベトナムのお年寄りは、すでにさまざまな問題に直面している。病気、薬、医療の必要性に加えて、日常生活の質を向上させるための政策や支援がほとんどない。
国立老年病院がハノイのソクソン地区で80歳以上の高齢者610人を対象に行った調査によると、33.6%が寡婦または寡夫、8.2%が一人暮らしで、28%近くが日常生活動作(ADL)である起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容に支障があり支援や介助を必要としていることが分かった。
また、買い物や食事の支度、洗濯、掃除、金銭の管理などの手段的日常生活動作(IADL)については、90%の方が介助を必要としていることがわかった。
さらに65歳以上の人は平均して3つの病気にかかり、80歳以上の老人は6~7つの病気にかかっているという。
最も多い病気は、冠動脈疾患、高血圧、糖尿病、変性関節症、癌など。さらに、認知障害、老衰、うつ病、認知症などが加わり、医療費は若年層の7倍から10倍になるとされる。
この状況は老年医学者や看護師のトレーニングや人材育成が不十分であることも関係している。
現在ベトナムでは、組織化された老人ホーム、特にアルツハイマー型認知症患者のための老人ホームや、老人向けコンドミニアムのネットワークがまだ不足している。また、高齢者向けサービスを提供するデイケアセンターの設立も必要である。
さらにハウスクリーニング、洗濯、買い物、料理、娯楽など、高齢者のニーズを満たすサービスが必要であり注目されている。
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