ベトナム人男性との縁で結ばれお嫁さんになった日本人女性。二人ともベトナムのハンドクラフトに興味が深く、サイゴンの最もにぎやかな通りドンコイでKito Shopというお店を経営しています。彼女は一つずつの作品に情熱を注いで、ハンドクラフトファンへ魅力的なショッピング空間を提供している今出みおさんです。
ドンコイ通りでKito Shopを経営している今出みおさん。
お客さんを魅了している貴店の魅力とは何でしょうか。
Kito Shopは本来ベトナムハンドクラフトの専門店なんです。私たちには工房があり腕の良い製造スタッフによってこれらの製品が作られています。当店のバッグや服、雑貨は私と主人でデザインしています。アンティーク陶器は主人が厳選した数十年前から古い物では100年前のものばかりです。また、去年の9月にはベトナム風お好み焼きのレストランをオープンし、厳選された原材料を使用しながら、外国人観光客にも味わってもらうために味を調整するようにしています。すべてのお客さんに楽しく商品を選んで「ベトナムに来てよかった」と満足してもらえるといいなと思っています。
ベトナムの伝統手工芸が気に入ったのはいつですか。
それは20年前ですね。私は子どもの頃、テレビで放送された「ベトナムへ自由旅行に行きました」という番組を通じて、ベトナムはもう戦争を終えて、観光客を歓迎していることが分かりました。初めてベトナムのアオザイを見たのもその頃です。こんな綺麗な民族衣装が世界にはあるんだなと感動しました。それがきっかけでベトナムの食文化や雑貨文化も気になりました。ベトナムの雑貨はとてもきれいでアジア文化とヨーロッパ文化が融合したところが印象的ですね。それが他の国ではなかなか見つからない魅力なんです。
ベトナムで雑貨屋さんを経営する上で困ったことや難しいことがありますか。
結婚する前、主人はドンコイ通りで20年、雑貨屋さんを経営していて、私は日本でベトナムのカフェ・バーや雑貨屋さんを経営していたんです。2年前私は縁があってこの店のお嫁になりました。管理面では何も問題がありませんが、一番困るのはどうやってスタッフに自分の考えを伝えればいいかということです。私はベトナム語が出来ず、スタッフとは言葉が通じないので、細部まで伝わらず、何回もやり直してもらうことが珍しくないです。
今まで「この仕事をやめたい!」と思ったことがありますか。
何回もありますよ。やはり言葉の限界がありますから、スタッフにも主人にも伝わらないところがいろいろありますね。でも、やはりいいものが出来上がったときや、お客さまが喜んでくれたときは、「ああ、この仕事を選んで続けてきてよかったな」と思います。
厳しいお客さまに信頼・満足していただくために、どのようなことをされていますか。
私たちは工芸品の分野で長年の経験を持っており、国際市場の高い要求を満たすため、アジア文化とヨーロッパ文化をミックスした美しいデザインの製品を作ることに努めています。また、製品の耐久性・長寿命を保つため、常に一番良い材料を使用しています。これらがお客さまから高評価をいただいている大きな要因の一つだと思います。
「20年以上ベトナムに関心を持ってきた私から見ると、ベトナム経済の発展につれて、ベトナムの国民はファッションなど外国のトレンドに憧れて、自国の文化から離れているように思います。たとえば、当店にはSong Be焼きの陶器が数多く揃っていますが、ほとんどのベトナムの人は「野暮ったい」と思うかもしれません。けれども外国人にとってはアジアとヨーロッパをミックスした面白い陶器なんです。しかし、ベトナム人が無関心であり続けると、きっとそれらは数十年後になくなってしまいます。私は主人が南部の出身なので、南部の伝統色が濃い製品が好きです。私と主人はベトナムの「魂」を後世に残したいという思いで、それらの製品の保存に力に入れるようにしています。」-今出さんが語った。
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