日本に親会社を持つエースコックベトナム社はベトナムで25年以上におよび成長と発展を遂げ、現在ではベトナム国内市場で50％以上のシェアとほぼ100％近くの店頭カバー率を確保しているインスタントラーメンの有名ブランドとして知られています。Kilala社はエースコックベトナムの代表者としてKaneda Hiroki様のインタビューを実施しました。
エースコックベトナムの代表者・Kaneda Hiroki様
1/ このベトナムでの最大の地位を築くまでの間には難局もあられたかと思いますが、どのような難しい局面があったでしょうか。お伺い出来る範囲で結構ですので教えてください。
私たちエースコックは1993年にベトナム市場に参入しました。当時の市場は現在のように活気あるものではありませんでした。エースコックベトナムはゼロから出発しましたが、一番大きな課題は現地ベトナムの消費者の方に受け入れられる商品を開発することでした。私たちエースコックがベトナムで事業を開始した時に、「成功への鍵は現地ベトナムの消費者に受け入れられる味、商品を開発しなければならないことだ」と分かりました。そこで、私たちエースコックは、ベトナム人スタッフが味（商品）を開発し日本の技術力を生かして商品を生産する「日本の技術、ベトナムの味」の組み合わせにより「目標を達成」する戦略を取ることに決めました。この組み合わせにより、ベトナムの消費者に評価され、そして愛される商品を創り出すことができたのです。
それに加えて、いくらの価格のどの原材料を採用するかという問題にも遭遇しました。当時のベトナムには、私たちエースコックが目標とする高品質の商品を生産するために必要な高い品質基準の原材料を供給できるサプライヤーはありませんでしたので、原材料は輸入するしかありませんでした。そのため発売当初の当社の商品価格は競合他社の商品より高くなってしまいました。しかし、ベトナムの消費者にエースコックの商品を認めていただくためには、品質の高い商品を提供する以外にないと分かっていましたので、高いレベルの品質を維持しながらコストダウンできる方法を検討しました。そこで私たちエースコックは日本の原材料サプライヤーに対し、ベトナムのサプライヤーに技術的なアドバイスしていただくことを依頼しました。ベトナムのサプライヤーはエースコックに納品可能な品質基準を達成できるように設備を改造したり新規導入もしてもらいました。この計画を５年間継続することにより、ついに2000年にはエースコックが要求する品質基準を満たす原材料を供給できるベトナム現地のサプライヤーが誕生したのです。
2/ エースコックベトナムの製品の中で、現在最も市場で人気のあるものを教えてください。
ベトナムの全国各地で愛用されている地元の原材料を用い処方を開発することにより、特徴ある味の商品が生まれます。これらの商品はエースコックが真心こめて創ったもので、ベトナム全国で愛される商品になっています。中でも、ベトナムではじめての「酸っぱくて辛い」味のHao Hao Tom Chua Cayは多くの消費者に受け入れられ、その実力の高さを証明しました。現在も、Mi Ga、Sa Te Hanh Tim、Tom Xao Chua Ngot、Mi XaoTom Hanh、Chay Rau Namなどの味タイプの異なるHao Haoの姉妹品（ベトナム人の食の好みにこたえる多様な味の商品ラインナップ）を市場に送り出し続けています。
ベトナムでの２０年近くにおよぶ成功によりHao Haoはエースコックの誇りだけではなく、エースコック商品の品質の高さを示すシンボルとなっています。
3/ 最近、エースコックはLuong Le Hoang医師と協力して風邪に効果的な親しみのある漢方薬用の薬草のスパイスのある即席麺「サムライ」を発売されたと伺いました。この商品についての市場の反応はどうですか。
Samuraiは消費者の健康に心掛けた風邪を治す薬草のスパイスが入っている、エースコックベトナム初の商品です。その為、殆どの消費者はSamuraiに新規性があり、コシがあるノンフライ麺と薬草の独特な香りがするスープ、ユニークで親しみのある自然な風味があると評価されています。
但し、初めて食べる人は誰でもシソ、クローブ、ミカン皮、ウラルカンゾウ、シナモン、トウシキミ、生姜の7つの薬草の独特な風味を受け入れられるわけではありません。エースコックベトナムはSamuraiのような健康に良い商品はもっと広く販売され、より多くの消費者に接近し、安全で栄養的な美味しい食事を提供したいと思っています。
4/ また、ベトナム国民の健康を改善させるための次なる商品やプログラムはございますか？
『Cook Happiness』という指針を持っているエースコックはすべてのお客様、取引先、社会全体に幸せとハッピーを届けたいです。その為、品質と安心・安全性を確保するにとどまらず、健康に良い商品を研究開発し、CSR活動に参加し、栄養やスポーツ、健康などについての知識をアップさせることを通して、企業の『消費者の健康をトータルサポートする』方針を実施します。現在、企業は地域社会健康日のイベントやベトナムサッカー連盟（VFF）の協賛、食品安全局と連携して食品安全と栄養に関するセミナーの開催、即席麺についての正しい情報の宣伝活動などを実施して、即席麺の価値をアップさせています。
5/ 工場見学ツアーをしばしば行うアイデアはどのように生まれましたか？エースコックの工場に誇りに思う近代的技術は何ですか？
現在、エースコックベトナムはHCM, Hung Yen, Vinh Long, Da Nangの4工場で学生や主婦向けの工場見学ツアーを実施しています。その目的は即席麺の製造工程を自分の目で見て、即席麺の安心・安全性を知り、そこから安心して商品を使用していただく為です。これも企業が消費者に直接接し、消費者の即席麺の商品自体、使い方、安全性、栄養、企業の制度、CSR 活動などに対する質問などに答える機会でもあります。同時に、消費者の意見を聴き、より良い商品に改善していくこともできます。
エースコックベトナムの工場は密閉な工程で、清潔で日本技術をもった製造工程を有しています。各工場には積極的な投資を行い、自動機械化は約80％、1ライン1秒に当たりの平均生産力は約500食です。日本の本社の技術と日本人の管理者で毎年エースクックはベトナム人に安心な商品を約30憶食提供しています。
6/ 2018年8月、54号Truong Dinh通り1区ホーチミン市にリンガーハット・レストランをオープンされたそうです。この店は他の日本料理レストランと比較して何か違うところがありますか。また、今後の発展方向性について話して頂けませんでしょうか。
日本のリンガーハットは長崎ちゃんぽんを中心に事業展開しています。長崎ちゃんぽんは太くてコシがある麺と豚骨や鶏骨の出汁とトッピング（キャベツ、大根、もやし、魚、豚肉など）を合わせて出来た料理です。また、長崎皿うどんは和風のmì xào giòn（パリパリのかた焼きそば）で、揚げた麺にたっぷり野菜とあんかけソースを盛り付けます。
日本でよく知られている固有性を持つブランドですので、外食業界では一定のポジションを占めると期待しています。
7/ 30年～40年後のAcecook Việt Nam Vietnamはどのような企業に発展させたいでしょうか。
エースコックグループの「Cook Happiness」方針のもとに、消費者に幸せと美味しい食事を提供し、取引先や協力会社に幸せを届けます。そして、消費者の方への感謝として社会貢献活動も積極的に実施する予定がございます。将来的には、商品の品質と安全性をさらに向上するとともに、消費者の方々は即席麺が高い価値があって安全であると理解し、安心して使用していただけるように、エースコックベトナム社は即席麺について科学的根拠をもった正確な情報を消費者に伝え続けます。
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